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(1)「中点」焙煎についての言葉を整理して考えてみよう

「中点」とは、英語ではT.P. (Turning Point)とも言います。生豆を投入してのちの豆温度計の表示が最低値を示した時の時間・温度のことを指します。

そもそも焙煎機の温度計は何を測定しているのでしょうか?
焙煎機に取り付けられている温度計は、正確には熱電対センサー(Thermocoupple)です。
熱電対センサーとは異なる種類の金属をつなげたもので、熱によりその抵抗値が変わることを利用した温度センサーです。使用する金属の種類によりKタイプとかJタイプとかTタイプとかに規格が分かれていて、測定する温度範囲によって適したものを利用します。焙煎機だとKとかJが多いんじゃないかな?

焙煎機に付けられている熱電対センサーは金属の棒のような形をしていて、コーヒー豆が投入される前は、センサーの周囲の空気の温度を測定していることになります。
生豆が投入されると棒状のセンサーに生豆がバチバチと衝突し始めます。
投入仕立ての生豆は周囲の温度に比べ低い温度の物体ですから、センサーは徐々に熱を奪われ測定する温度は下降してゆきます。この段階で表示されているのは、周囲の温度と生豆の温度の両方の温度がミックスされた状態です。
投入した生豆は周囲の空気や熱源から熱を供給され、どんどん温度が上昇してゆくので、「ある点」を最低値として温度表示は上昇に転じます。
この「ある点」が中点と呼ばれているものです。

ある程度の数の生豆が衝突すれば表示される温度は本当の豆の温度に限りなく近くはずですが、どの段階で本当の生豆の温度が表示されるのでしょうか?

結論を言うと、中点よりもずっと先です。

下記のグラフの薄い朱色の線は、(Artisanに内蔵されている機能で)計算で出した本当の豆温度と思われるラインです。

つまり中点の表す温度・時間に科学的な意味はありません。

ただし、中点は非常にわかりやすい(特定しやすい)温度・時間ですから、焙煎の過程を記録するのに便利な点です。焙煎の再現性を高めたい場合には、まずは中点位置を固定することが重要です。

これが非常に難しいのでみなさん苦労されているのではないかと。焙煎室の室内温度や湿度、投入する生豆の温度・量の一定化、焙煎機の十分な暖気、生豆投入時の所作の一定化などを試みておりますが、その結果は自慢できる状況ではありません。

むしろ中点よりも重視すべきはDry Endポイント(水抜きの終了時間)の一定化ではないかと考えています。それについてはまた次回。

20190311素材


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